元ハロワ職員<br>阿部この記事は、元ハローワーク職員が解説いたします!
失業保険は、突然の退職後の生活を支える大切な制度です。しかし、自己都合での退職では、一般的に失業保険の給付が遅れるケースが少なくありません。
特に、1年未満の短い勤務期間の場合、「本当に失業保険がもらえるのか?」と心配される方も多いでしょう。しかし、特定の条件を満たすことで、自己都合退職でも1年未満で失業保険が受け取れるケースがあります。
また、うつ病などの病気で退職する場合、失業保険の受給条件や期間にも例外的な取り扱いがあります。この記事では、こうしたケースについても詳しく解説します。
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1年未満で退職しても失業保険は受け取れる?
会社都合退職のケースでは、退職前の1年間の中で雇用保険加入期間が6ヵ月以上の場合、失業保険を受け取れます。一方、自己都合退職の場合は、離職前の2年間の中で12ヵ月以上の雇用保険期間が必要なので、原則1年未満では失業保険の受給は不可能です。
ただし、特定理由離職者(正当な理由のある自己都合退職)の条件に当てはまる場合は、1年未満の雇用保険加入でも退職前の1年間の中で雇用保険加入期間が6ヵ月以上あれば受け取れます。
1年未満で退職した時の失業保険は、前職での加入期間、退職理由によって受給の可否が分かれるため、自分の状況を正しく把握するのが大切です。
自己都合退職でも1年未満で失業保険を受給できる4つの条件
以下では、1年未満での自己都合退職でも失業保険を受け取れる4つの条件に関して解説します。
↑気になる項目をタップで該当箇所にスクロールします。
上記のいずれか1つに該当すれば失業保険が受け取れるので、ぜひ参考にしてみてください。
特定受給資格者として認定される
特定受給資格者とは、再就職の準備をする時間的に余裕がない場合が該当します。俗に言う会社都合退職です。
例えば、事業所の倒産や解雇によって場合などです。
こうした場合、自己都合退職ではなく、会社都合退職となり失業保険の給付を早めに受け取れる可能性があるでしょう。
また、意外と多いのが、離職票の離職理由が「自己都合」になっているものの、実態としては解雇・倒産・退職勧奨など、会社都合に近いケースです。
会社都合(特定受給資格者)に当たる場合は、離職日以前1年間に被保険者期間6ヶ月以上で受給資格を満たします。特定受給資格者として認定されると、通常の自己都合退職に比べて、給付制限(1ヵ月間手当が支給されない期間)がなくなったり、失業保険の受給期間が長くなります。

特定理由離職者に認定される
特定理由離職者は、2種類あります。
特定理由離職者(1):契約期間の更新を希望したが認められずに離職となった場合、雇止めなどの時に該当します。特定理由離職者(1)になると1つ前で解説した会社都合退職(特定受給資格者)と同じ扱いで失業保険の申請が可能です。
特定理由離職者(2):病気・ケガ、妊娠・出産・育児、介護、配偶者の転勤等のやむを得ない事情で離職となった場合に該当します。
この場合、離職票だけではなくハローワークで事情の確認が行われます。医師の意見が分かる書類(診断書・意見書等)や、転居が分かる資料など、状況に応じた提出を求められることがあります。
そして、特定理由離職者に当たる場合は、離職日以前1年間に被保険者期間が6ヶ月以上あれば受給資格を満たします。特定理由離職者として認定されると、自己都合退職であっても会社都合退職と同じく給付制限(原則1ヵ月間手当が支給されない期間)がなく失業保険の受給ができます。
元ハロワ職員<br>阿部よく間違える人が多いですが、契約期間満了だから会社都合退職と同じになるということはありません。
契約更新の意思を見せた結果退職となった場合に特定理由離職者(1)となり、会社都合退職と同じ扱いで会社都合退職と同じ給付日数の失業保険の受給ができるようになっています。
なお、特定理由離職者の失業保険の受給条件や注意点に関して詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
就職困難者に認定される
自己都合退職であっても、就職困難者に該当する場合は、離職日以前1年間に被保険者期間が6ヶ月以上あれば、失業保険の受給資格を満たします。
直前の勤務先が1年未満であっても、雇用保険の加入期間が通算6ヶ月以上あれば問題ありません。勤務先が変わっていても、一定の条件を満たせば加入期間は通算してカウントされます。
また、就職困難者とは、以下のような方が該当します。
- 身体障害者
- 知的障害者
- 精神障害者
- 刑法等の規定により保護観察に付された方、
- 社会的事情により就職が著しく阻害されている方
そう病、うつ病、躁うつ病やてんかんの診断がある方や障害者手帳を持っている方も同じく就職困難者として申請することができます。
就職困難者が受け取れる給付日数は下記の画像となります。

なお、「うつ病でも本当に就職困難者として認定されるのか?」「診断があれば必ず対象になるのか?」といった疑問については、別記事で詳しく解説しています。
前職との加入期間を通算する
自己都合退職の場合、原則として「離職日以前2年間に被保険者期間が12ヶ月以上」あることが受給要件です。
これは、現職だけで12ヶ月なくても問題ありません。離職日前2年の範囲内に含まれる雇用保険の加入期間は、前職分も合算して判定されます。
たとえば、
- 転職して1年未満で退職した
- 直前の会社では数ヶ月しか勤務していない
- 2年以内に複数回転職している
といった場合でも、離職日前2年の枠内にある加入月数であれば通算が可能です。
元ハロワ職員<br>阿部「離職日以前1年間に被保険者期間が6ヶ月以上」の場合でも同じ考え方となります。
ただし、1年以上雇用保険に加入していない空白期間がある場合は、それ以前の加入期間はリセットされます。その場合は、直近の再就職後から離職までの期間のみで判定されます。
また、過去に基本手当や再就職手当などを受給している場合も、受給前の加入期間は算定基礎期間に含められません。
「前職も含めれば1年以上あるはず」と思っていても、空白期間や過去の受給歴によって通算できないケースがあります。離職票や雇用保険被保険者証で、加入期間を確認しておきましょう。
自己都合退職と会社都合退職の2つの違い
自己都合退職と会社都合退職の主な違いは、以下の2点です。
自己都合退職、会社都合退職の違い
- 給付制限の有無
- 失業保険の給付日数
自己都合退職の場合は給付制限があり、会社都合退職よりも給付日数が短くなる傾向があります。
給付制限の有無
自己都合退職の場合、失業保険の給付には申請してから手当が支給されない期間として1~3ヵ月の給付制限があります。給付制限があるのは、国の支援を受ける前に一定期間の待機が必要とされるためです。
一方、会社都合退職では、この給付制限が適用されないため、すぐに失業保険を受給することが可能です。会社都合退職とは、解雇やリストラなど、会社側の都合で働くことができなくなった場合を指します。
他にも給付制限を無くして申請できるケースもあるため詳しくは下記の記事を参考にしてください。
退職理由ごとの給付日数の違い
失業保険の給付日数は、自己都合退職よりも会社都合退職の方が給付日数が多くなります。
給付日数の違いは下記の画像を参考にしてください。

参考文献:基本手当の所定給付日数|ハローワークインターネットサービス
なお、以下の記事では、失業保険を会社都合退職でもらう方法やデメリットに関して解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

1年未満で退職した場合の失業保険の給付金額
失業保険の金額は、退職前の給料と受給日数から計算されます。失業保険の日額(基本手当日額)は、退職前6ヵ月間の給与合計額を180日で割り、数値に50~80%をかけた値です。
受給総額は、失業保険の日額(基本手当日額)に所定給付日数をかけて算出します。
受給総額=基本手当の日額×所定給付日数
自己都合退職の場合は90日から150日、会社都合退職の場合は90日から330日が給付日数となります。
また、失業保険で受け取れる手取り額の具体的な計算方法や受給条件、申請手順に関して知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

参考文献:基本手当について|ハローワークインターネットサービス
1年未満で退職した場合の失業保険を受け取れる期間
会社の在籍期間(雇用保険の加入期間)が1年未満の場合、失業保険の受給日数は以下の2つのケースに分けられます。
- 会社都合退職・特定理由離職者(1)(2)の受給日数は90日間
- 就職困難者の受給日数は150日間
給付日数は年齢や退職理由、雇用保険に入っていた期間などで異なるため、自分の状況を正しく把握するのが重要です。
会社都合退職・特定理由離職者(1)(2)の受給日数は90日間
雇用保険の被保険者期間が1年未満で退職した場合、会社都合退職や特定理由離職者(1)(2)だと、給付期間は90日です。ただし、会社都合退職や特定理由離職者(1)は20年以上被保険者だった場合や、年齢が45歳以上60歳未満の場合は、最大330日間の給付が可能です。
失業保険の給付日数は、年齢と被保険者期間で決定されるため、自分の状況を踏まえて給付日数を把握し、失業保険を検討していきましょう。
特定理由離職者(1):契約社員などの有期労働契約が満期を迎えた際、労働者は継続を希望したが更新に合意できず、やむなく退職に至ったケース
特定理由離職者(2):健康状態の悪化や妊娠・出産、育児、親族の介護、または配偶者の転勤や結婚に伴う引っ越しなど、やむを得ない事情によって自己都合退職とされた人
就職困難者の受給日数は150日間
就職困難者は150日間の給付期間があり、被保険者期間が1年以上かつ45歳以上65歳未満の場合は360日間にまで延ばされます。
また、就職困難者は、通常の求職者に比べて再就職が難しいため、ほかの失業者よりも受け取れる日数は多いです。
なお、就職困難者の認定はハローワークの手続きの中で判断されるので、自分の状況を正しく伝えることが大切です。
退職理由がうつ病をはじめとした病気の場合、失業保険を受け取れる?
退職理由がうつ病をはじめとした病気の場合、以下の3つの点に注意が必要です。申請の方法は以下の注意事項以外は通常の申請方法と大きく変わりません。
- 医師による診断書が求められる
- 特定理由離職者・就職困難者として認定される可能性がある
- 受給までの待機する期間が短縮されることがある
病気が原因での退職の場合、失業保険の受給には一定の条件があるため理解しておきましょう。
医師による診断書が求められる
病気を理由に退職する場合、医師の診断書が求められます。この診断書は、退職の原因が健康問題であることを証明するために必要です。ハローワークなどの公的機関に提出すると、特定理由離職者や就職困難者として認定される可能性が高まります。
また、診断書には、具体的な病状や退職が必要とされた理由が記載されていることが重要です。正確な情報をハローワークの窓口で伝えられると、スムーズに失業保険の受給手続きが進められます。
ただし、病院の先生から就労可能であることの証明が必要です。もし就労不可の診断を受けた場合は、就労可能の診断が出るまでは失業保険の申請ができません。
元ハロワ職員<br>阿部就労可能とは、医者から週20時間以上働けると判断されている状態です。
特定理由離職者・就職困難者として認定される可能性がある
うつ病などの病気などを理由に退職した場合、特定理由離職者として認定される可能性が高くなります。
また、診断名によっては就職困難者に該当して失業保険がさらに多く受け取れる可能性もあります。
特に、長期間の療養が必要な場合や、働くのが困難な状態であった場合でも、就労可能と診断が下りた際にすぐに失業保険が受け取れるため、特定理由離職者としての申請を積極的に検討するべきです。
受給までの待機する期間が短縮される場合がある
特定理由離職者として認定された場合、自己都合退職にかかる原則1ヶ月(※場合により3ヶ月)の給付制限がなくなります。
そのため、病気などやむを得ない理由で退職した場合は、「正当な理由のある自己都合退職」と判断され、通常より早く失業保険を受け取れる可能性があります。
ただし、認定には医師の診断書などの提出が求められるのが一般的です。症状や退職に至った経緯などを総合的に判断されるため、必ずしも全員が該当するわけではありません。
元ハロワ職員<br>阿部細かいルールは地域のハローワークによって変わってきます。そのためどんな書類が必要になるのか、退職後などに電話などで確認しておくとよいでしょう!
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失業保険の受け取りに必要な手続きと注意点
1年未満での申請においても、うつ病などの病気での申請でも大きく申請の流れは変わりません。必要書類が増えるケースがあるので、以下の必要書類を揃えましょう。
失業保険の受け取りに必要な手続きは、以下の5つです。注意点も交えながら解説していきます。
手続きの流れ
- 会社から「離職」を受け取る
- ハローワークで求職申込み+受給手続き
以下の必要書類を提出して受給資格を得ます。 - 受給者初回説明会に参加
- 認定日に失業認定
- 支給
受給手続きでの必要書類
- 離職票(1、2)
- 本人確認書類(マイナンバーカード等)
- 写真(必要な場合)
- 本人名義の振込口座が分かるもの
- 病気・介護・転居など事情がある場合は、それを示す資料(診断書、転居資料等)
※離職票が無い場合:退職日から12日経過しても離職票が届かなかった場合のみ退職を証明できる書類(退職証明書など)で一時的に代用をして仮申請が可能です。
ハローワークで申請手続きを行う
失業保険を受給するためには、まずハローワークでの申請手続きを行う必要があります。申請手続きを行わなければ、失業保険の受給資格が得られませんので、退職後は離職票が届き次第できるだけ早くハローワークに足を運びましょう。
手続きの際には、失業認定日を設定し、その後も定期的にハローワークに通うことが求められます。また、失業認定日には、求職活動の進捗状況を報告する必要もあります。
手続きの順番や持ち物を間違えると、受給開始が遅れることもあります。ハローワークでの具体的な流れは、以下の記事で詳しく解説しています。
受給中にアルバイト・副業をする
受給中の就労(アルバイト・副業・手伝い等)は、働いた事実・就労時間と収入の申告を必ず行ってください。申告しないと不正受給と判断されるおそれがあります。
また、働き方によっては「就職した」と見なされ、失業保険の受給が止まったり、雇用保険の加入対象になったりします。自分の働き方が問題ないのか迷う場合は、先にハローワークへ確認してください。
退職理由を証明するための書類を準備する
退職理由を証明するための書類も、失業保険の申請には欠かせません。自己都合退職の場合は退職届や離職票が必要ですが、病気を理由に退職する場合は、医師の診断書なども求められる場合があります。
なかでも、特定理由離職者や就職困難者として認定を受けるための診断書などは、受給可否や給付制限の扱いに関わる重要な書類です。
元ハロワ職員<br>阿部管轄のハローワークによっては、診断書ではなく、就労可能証明書(症状証明書)などの書類の提出を求められることもあります。
どうせ受給するなら、失業保険を少しでもメリットのある形で受け取りたいですよね。本来なら受け取れた額を受給できずに損をしてしまうこともあります。
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1年未満で失業保険を受け取る際のよくある質問
自己都合退職やうつ病などの病気で退職した場合、失業保険の受給に関するさまざまな疑問が出てくるかと思います。ここでは、以下のよくある質問にお答えします。
↑気になる項目をタップで該当箇所にスクロールします。
自己都合退職でも失業保険を早めに受け取る方法はありますか?
自己都合退職でも、特定理由離職者として認定されれば、給付制限が短縮され、早めに失業保険を受け取れます。特に、健康問題や家庭の事情が退職理由の場合は、積極的に特定理由離職者の認定を申請するのが有効です。
なお、自己都合退職でも失業保険をすぐに受け取る裏ワザに関して詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
うつ病で退職した際の失業保険申請にどのような書類が必要ですか?
うつ病で退職した際の失業保険申請には、医師の診断書などが必須です。この診断書には、具体的な病状や退職に至った経緯が記載されていなければなりません。また、離職票や退職証明書も必要です。
なお、ハローワークによって必要が異なる場合もあるため、事前に確認しておくのがよいでしょう。
失業保険の受給期間を延長するためにはどのような条件がありますか?
失業保険の受給期間を延長するためには、特定受給資格者(会社都合退職)や就職困難者に該当しなければなりません。
また、令和7年3月までは、契約の更新を希望したが認められずに離職になった場合でも特定受給資格者(会社都合退職)と同じ扱いで失業保険が受け取れます。
ハローワークで申請手続きを行い、必要な書類を提出すると、延長が認められるケースがあります。
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自己都合退職であっても、特定の条件を満たすことで1年未満でも失業保険を受け取ることが可能です。特に、特定受給資格者や就職困難者として認定されるかどうかが重要なポイントです。
また、うつ病などの病気を理由に退職した場合には、特別な措置が取られ、給付制限が緩和される場合があります。退職後の生活を安定させるためにも、正確な手続きを行い、必要な書類を整えておきましょう。
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