「特定理由離職者って聞いたことがあるけど、どのような場合に該当するの?」
「特定理由離職者になると、どのようなメリットがあるの?」
「特定理由離職者になるための手続きがよくわからない」
退職を検討している方の中には、特定理由離職者に関する疑問や悩みを抱えている方もいるでしょう。
特定理由離職者として認められると、失業保険の受給資格要件が緩和されたり、給付制限期間が免除されたりするなどのメリットがあります。
ただし、ハローワークで正確に手続きをおこない、審査で「要件を満たしている」と判断されなければ、特定理由離職者には認められません。
そこで本記事では、特定理由離職者になるための条件や手続き方法、必要な書類などをわかりやすく解説します。
なお、特定理由離職者の証明手続きを確実に進めたい方は、「転職×退職のサポート窓口」に相談するのがおすすめです。相談は無料なので、まずはLINEで気軽にお問い合わせください。
特定理由離職者になるにはどうすればいい?
特定理由離職者として認められるのは、以下いずれかの条件に当てはまる方です。
- 雇い止めによる離職の条件を満たす
- 正当な理由による自己都合退職の条件を満たす
退職者全員が特定理由離職者として認められるわけではありません。それぞれの条件を詳しく解説するので参考にしてください。
雇い止めによる離職の条件を満たす
雇い止めで職を失った際に、特定理由離職者として認められるためには、以下3つの条件を満たす必要があります。
- 期間の定めのある労働契約の期間が満了していること
- 労働契約の更新または延長の可能性が明示されていたこと
- 労働者が契約更新を希望したにも関わらず、会社側と合意が成立しなかったこと
本当に離職を避けられなかった労働者のみを保護するために、厳しい条件が設けられているのが特徴です。
例えば、労働者が契約更新を希望したにも関わらず、会社側が更新に応じなかった場合、雇い止めによる特定理由離職者として認められる可能性があります。
ただし、契約書に更新の可能性が明示されていなかった場合は、特定理由離職者としては認められません。
正当な理由による自己都合退職の条件を満たす
正当な理由による自己都合退職で特定理由離職者として認められるためには、下記のいずれかの条件に該当する必要があります。
- 体力不足や心身の障害により就業が困難
- 妊娠、出産、育児等による離職
- 家族の介護や看護のための離職
- 結婚や育児にともなう転居による通勤困難
- 事業所の移転による通勤困難
- 配偶者からのDVによる転居
- その他やむを得ない理由による離職
上記条件は、労働者が自身の意思に反して、やむを得ない事情により退職せざるを得なかった場合にのみ、経済面で保護を受けられるよう設定されています。
例えば、家族の介護のために退職せざるを得なかった方や、配偶者からのDVにより転居を余儀なくされ通勤が困難になった方などが該当します。
参考:ハローワーク|特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要
失業保険の受給条件をより詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
特定理由離職者の証明に必要な手続き・書類 【5STEP】
特定理由離職者として認められるには、必要な書類を提出した上で、所定の手続きをおこなわなければなりません。
手続きは以下5つのステップに分けられます。
- 離職票の取得
- 証明書類の準備
- ハローワークへの申請
- 面談と審査
- 認定結果の通知
各ステップの内容を詳しく解説するので参考にしてください。
①離職票の取得
特定理由離職者として認められるには、離職票が必要です。離職票とは退職した会社から交付される書類で、雇用保険被保険者期間や賃金などの情報が記載されています。
離職票の取得の流れは、以下のとおりです。
- 退職前に会社に離職票の発行を依頼する
- 会社がハローワークに必要な書類を提出する
- ハローワークが離職票を発行し、会社に送付する
- 会社から退職者に離職票が送付される
手続きに離職票が必要とされるのは、雇用保険制度に基づき、正確な情報を記録・確認するためです。
離職票に関して詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
②証明書類の準備
特定理由離職者として認められるためには、離職理由に応じた適切な証明書類が必要です。必要な証明書類は、離職理由によって異なります。
離職理由別の必要証明書類は以下のとおりです。
離職理由 | 必要な証明書類 |
体力不足や心身の障害による離職 | 医師の診断書 |
雇い止めによる離職 | 労働契約書、雇用通知書、就業規則、契約更新の通知書、タイムカード等 |
事業所移転による通勤困難 | 事業所移転の通知、移転先が分かる資料、通勤経路の時刻表等 |
家族の介護による離職 | 介護を必要とする家族の診断書 |
結婚や育児にともなう転居による通勤困難 | 転居先の住民票、結婚証明書(該当する場合)、子どもの出生証明書(該当する場合)等 |
配偶者からのDVによる転居 | DVに関する証明書(警察や支援団体からの証明など) |
希望退職者への応募による離職 | 希望退職募集の通知、応募書類の写し等 |
上記の書類は、離職理由が正当なものであることを証明するために必要なので、忘れずに準備しておきましょう。
③ハローワークへの申請
必要書類を準備した後は、住所地を管轄するハローワークにて申請手続きをおこないます。申請の手順は以下のとおりです。
- 必要書類を準備する
- 住所地を管轄するハローワークに来所する
- 求職申込みを行う
- 失業認定申告書を提出する
- 雇用保険説明会に参加する
住所地を管轄するハローワークへ開庁時間内に来所し、求職申込書に必要事項を記入した上で、失業認定申告書を提出します。
一連の手続きが完了すると、雇用保険説明会の開催日時が案内されます。
なお、雇用保険説明会に参加しなければ、失業保険を受給できません。雇用保険説明会では今後必要になる手続きの説明などもおこなわれます。
④面談と審査
ハローワークへの申請手続きが完了すると、担当者との面談と審査が実施されます。面談では離職理由や、今後の就職活動の意向などを確認されます。
審査の主なポイントは下記の通りです。
- 就労可能の意思の有無
- 現在の病状がどの程度回復しているかの確認(病気や怪我が理由の場合)
- 自己都合退職の可能性が低いことの確認
審査では提出された書類と面談内容に基づいて、特定理由離職者としての要件を満たしているかどうかが判断されます。
⑤認定結果の通知
面談と審査の後、特定理由離職者の認定結果が通知され、無事認定されている場合は「雇用保険受給資格者証」が交付されます。
また、受給資格者証には特定理由離職者として認定された旨や受給可能な給付日数、基本手当日額などの詳細情報が記載されているので、内容を確認しておきましょう。
なお、特定理由離職者に認定された場合は、給付制限期間が適用されないため、待期期間明け(7日後)から失業手当の給付が開始されます。
参考:厚生労働省|特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲と判断基準
特定理由離職者の証明手続きを確実に進めたい方は、「転職×退職のサポート窓口」に相談するのがおすすめです。相談は無料なので、まずはLINEで気軽に問い合わせてみましょう。
特定理由離職者が失業保険を受給する4つのメリット
特定理由離職者が失業保険を受給するメリットは以下4つです。
- 受給資格要件が緩和される
- 給付制限期間が免除される
- 給付日数が増加する
- 健康保険料や住民税が軽減される
特定理由離職者に認められると、一般離職者よりも失業保険を有利な条件で受給できます。各メリットの内容をそれぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
受給資格要件が緩和される
特定理由離職者の場合、失業保険を受給するための被保険者期間の要件が緩和されます。通常の離職者(自己都合退職を含む)は、離職日以前2年間に12ヵ月以上の被保険者期間が必要です。
一方で、特定理由離職者は離職日以前1年間に6ヵ月以上の被保険者期間があれば、受給資格を得られます。
ただし、受給要件が緩和されるのは、特定理由離職者のうち、契約期間の更新を希望したが認められずに退職を余儀なくされた方に限られます。
要件が緩和される理由は、特定理由離職者は正当な理由によりやむを得ず離職した立場であり、通常の離職者よりも保護の必要性が高いと考えられているためです。
参考:厚生労働省|特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲と判断基準
給付制限期間が免除される
特定理由離職者の場合、失業給付を受け取る際の給付制限期間が免除されます。通常の退職者(自己都合退職を含む)の場合、7日間の待期期間の後に3ヵ月間の給付制限を受けます。
一方で、特定理由離職者は7日間の待期期間のみで、給付制限なしに失業給付を受け取ることが可能です。早期に失業給付が開始されれば、次の職を探す際の経済的負担を大幅に軽減できます。
給付日数が増加する
特定理由離職者の場合、最長給付日数は330日です。
ただし、給付日数が増加するのは、特定理由離職者のうち退職理由が「契約期間の更新を希望したが認められずに退職することになった場合」のみとなります。
失業保険の受給期間に関して詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
健康保険料や住民税が軽減される
国民健康保険料と住民税が軽減される可能性がある点も、特定理由離職者として認められるメリットです。まず、国民健康保険料は、前年の給与所得の30%で計算されます。
また、特定理由離職者の場合、住民税も減免される可能性があります。ただし、具体的な軽減措置は自治体によって異なるので、詳細は各自治体に問い合わせてください。
参考:厚生労働省|平成22(2010)年4月から国民健康保険料(税)が軽減されます。
参考:世田谷区公式ホームページ|非自発的失業者の軽減について
特定理由離職者が失業保険を受給するデメリット
特定理由離職者として認められることには、メリットだけでなくデメリットも存在します。デメリットの例は以下のとおりです。
- ハローワークでの申請手続きが面倒だと感じる
- 退職理由に関して、雇用主との意見の相違が生じる可能性がある
- 就職活動に悪影響を及ぼす可能性がある
特定理由離職者の認定には、不正受給を防ぐため厳格な審査が必要です。やむを得ず離職した事実を証明するために、労働契約書や雇用通知書などの書類を準備しなければなりません。
また、退職理由に関して、会社側と意見が対立するケースもあるため注意が必要です。両者の間で意見が対立した場合、事実確認が難航して手続きが遅れる可能性もあります。
その他、特定理由離職者であることが、就職活動でネガティブに評価されるケースもあります。
特に、離職理由が曖昧だと選考に不利に働く可能性が高いため、正確かつ前向きな説明ができるよう準備しておきましょう。
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特定理由離職者に認定されると、一般離職者よりも有利な条件で失業保険を受給可能です。具体的には、失業保険給付金の受給資格要件や給付制限期間が緩和され、給付日数が延長されます。
また、国民健康保険料や住民税が減免される可能性もあるため、退職後の経済的な不安を和らげられます。
なお、特定理由離職者に認められるためには、ハローワークでの手続きを正確におこない、審査・面談を通じて「要件を満たしている」と判断されなければなりません。
しかし、ハローワークでの手続きや審査に不安を覚える方は少なくないでしょう。
手続き・審査を確実に進めて、特定理由離職者の認定を得たい方は、「転職×退職のサポート窓口」に相談するのがおすすめです。
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