自己都合退職でも、失業保険(手当)をすぐもらう方法を、元ハローワークの職員が解説します!
この記事は、元ハローワークの職員である私が監修しております。
今回は、社会保険労務士である私も監修を行っています。
皆さんにより良い正確な情報をお届けいたします。
退職を検討する中で、9割以上の人が自己都合による退職になります。
退職したいタイミングに会社都合退職で退職できることは少ないです。
自己都合退職だと、失業保険(手当)はすぐもらうことが難しいです。
しかし、失業保険(手当)をすぐもらう方法もございます。
この記事では、失業保険(手当)をすぐもらう方法を元ハローワーク職員による解説していきます!
・退職後に失業保険を申請する予定の人
・失業保険をもらおうとしたら、2ヶ月以上先で困っている。
・失業保険をすぐもらいたいけど、方法がわからない。
・自己都合退職でも会社都合と同じように手当を受け取りたい。
・急に仕事を辞めることになってしまった、、、
今回の記事では、上記の悩みを解決します!
ネット上にはたくさんの記事がありますが、この記事では、監修もありなかなかの内容となっています!
この記事で、覚えておくべき重要なポイント!!
- 離職理由は実は、『5種類』もあること。
- 『会社都合退職』は、『自己都合退職』よりも早く・長く受け取れること。
- 『自己都合退職』の場合でも『会社都合の退職』と同じ条件で失業保険を受け取れること
それでは、失業保険をすぐもらう方法について解説していきますね!
転職をして、新しい人生へ進む方の手助けをさせてください!!
失業保険(手当)とは?
失業保険(手当)とは、在職期間中に一定の期間雇用保険に加入していた人が、退職後に受け取れる労働者保護のために作られた行政の制度となっています。
失業保険、失業手当、失業給付などと言われていますが「雇用保険の基本手当」というのが正式名称となっています。
ここでは、わかりやすく「失業保険(手当)」とさせて頂きます。
この失業保険(手当)があることによって、再就職を焦ることなく行えることが利点です。
例えば、失業保険(手当)の制度がなかった場合に
退職理由には様々ありますが、会社が嫌で辞めたとして生活費が不安なため急いで転職先を見つけたとしましょう。
その転職先も職場環境が悪ければすぐ辞めたくなる、または辞めてしまうと思います。
この制度は、労働者保護のために作成された制度となっていて、最低限の生活費を確保し転職活動を余裕を持って行うことができます!
自分が納得いく転職先を見つけるためにもこの制度はかなり大きいですね!
しかし、失業保険(手当)を受け取るためには、雇用保険法の法律に従い、ハローワーク(公共職業安定所)で「失業中の状態である」という認定を受ける必要があります。
なので、すでに新しい職場が見つかっている人は失業保険(手当)を受け取ることができません。
【失業保険(手当)すぐもらう】退職理由5つを解説!!
失業保険(手当)の申請を考える時、退職理由を自己都合退職、会社都合退職と2種類だけを考えてはいけません。
実は、自己都合退職、会社都合退職の2種類だけではなく本来は5種類の退職理由が存在します。
間違った知識がネット上には転がっているので気を付けてください、、、
・事業所の倒産等によるもの
・労働契約期間満了等によるもの
・定年による退職
・事業主の判断によるもの
・労働者の判断によるもの
上記の退職理由ごとに失業保険の給付が早まるか、長い期間受け取れるのかが変わってきます。
事業所の倒産等によるもの
事業所の倒産等による退職理由の場合は、会社都合退職に該当します。
ただ、倒産とはいっても下記の2種類にさらに分けられます。
(1)倒産手続き開始、手形取引停止による離職
(2)事業所の廃止又は、事業活動停止後事業再開の見込みがないため離職
労働契約期間満了等によるもの
契約期間の決まっている雇用形態だった場合は、どうなるのか?
下記の退職時の状況次第で3パターンございます。
労働者から契約の更新又は、延長を
・希望する旨の申し出があった
・希望しない旨の申し出があった
・希望に関する申出はなかった
- ・希望する旨の申し出があった
-
会社都合退職と同じ条件で手当てが受け取れる。
- ・希望しない旨の申し出があった
-
自己都合退職と同じ扱いになる。
- ・希望に関する申出はなかった
-
雇用契約書次第だが、給付制限はなくなるが、給付日数は自己都合退と同じになる。
契約社員の方だとこの部分はものすごくわかりにくいですよね。。。
状況によって、失業保険(手当)がすぐもらえるのかが変わります!
定年による退職
定年による退職の場合は、会社が定めている定年の年齢次第で変わります。
失業保険は65歳未満でないと申請ができません。
なので、定年による退職の場合は、会社の定年が60歳~64歳となっていれば、会社都合退職として失業保険(手当)をすぐもらうことができます。
65歳以上の方は、失業保険ではなく高年齢求職者給付金の対象となります。
事業主からの働きかけによるもの
事業主からの働きかけによるものというのは「クビ」、「希望退職の募集」などが該当します。
細かく種類を分けると、
・解雇
・重責解雇
・希望退職の募集
・退職勧奨
- ・解雇
-
会社都合退職と同じ扱いになります。
- ・重責解雇
-
自己都合退職と同じ扱いになります。
- ・希望退職の募集
-
自己都合退職と給付日数になりますが、給付制限はなく失業保険をすぐもらうことができます。
- ・退職勧奨
-
会社都合退職と同等の給付日数になり、給付制限はなく失業保険をすぐもらうことができます。
労働者の判断によるもの
労働者の判断による退職は、自己都合退職に該当することが多いです。
この退職に関しては、2種類に分けられます。
・職場における事情(正当な理由)による退職
・労働者の個人的な事情による退職
- ・職場における事情(正当な理由)による退職
-
自己都合退職と給付日数になりますが、給付制限はなく失業保険をすぐもらうことができます。
- ・労働者の個人的な事情による退職
-
自己都合退職となります。
退職理由によって、失業保険をすぐにもらう事ができるのか、変わってくることがわかりましたね!
自分の状況に当てはめて確認ができましたでしょうか?
自己都合、会社都合にも細かく分類があるのでしっかりと覚えておきましょう!!
自分の退職理由と照らし合わせたら、自己都合退職となったのですが、もう失業保険はすぐもらうことができないのでしょうか?
ご安心ください!
まだ、そうと決まったわけではございません。
この後説明しますので、まずは自己都合退職と会社都合退職の違いについて説明しますね!
自己都合退職と会社都合退職の違いを詳しく説明!
次に、自己都合退職と会社都合退職の違いについて解説して行きます。
退職を経験したことない人はあまり聞きなじみのない言葉かと思います。
ここでのポイントは、
自己都合退職と会社都合退職の違いで覚えておくポイント!
- 失業保険がもらえるタイミング
- 失業保険をもらえる日数
- もらう事の出来る最大額
それでは、細かく説明していきます!!
失業保険をもらう事のできるタイミング
自己都合退職と会社都合退職の違いとして、まず手当をもらえるタイミングが2ヶ月違います。
自己都合退職の場合は、失業保険を受け取るまでに『待機期間の7日+給付制限の2ヶ月(合計約67日)』以上かかります。
正確には、申請から3ヶ月はかかると見たほうが良いです。
一方で、会社都合退職の場合は、給付制限の2ヶ月はございません。
なので、待機期間の7日を待つだけで問題ございません。
正確には、申請から1ヶ月ほどで手当が支給されます。
なぜ、自己都合退職が3ヶ月、会社都合退職が1ヶ月先になるかというと、
失業保険は、失業認定日後に入金されます。
この失業認定は、申請してから28日後に行われるのでどんなに最短でも1ヶ月はかかってしまいます。
申請日から認定日の間があるので、会社都合退職だと7日で失業保険(手当)がもらえるわけではございません。
ネット上では、7日でもらえるって書いてあることもありますが、正確な情報ではないため、騙されないでくださいね!
失業保険をもらう事のできる期間
失業保険をもらう事ができる期間は、今の会社でどれだけ働いていたかではございません。
過去の職場で雇用保険に加入をしており、失業保険を受給せずに1年以内に再就職していれば通算として計算されます。
しかし、50年雇用保険に加入していたからといってたくさんもらえるということはありません。
20年以上が上限となっています。
失業保険をもらう事の出来る期間は、
自己都合退職だと
90日~150日
会社都合退職だと
90日~330日が最大日数となっています。
会社都合退職は、自己都合退職よりも2倍以上多くもらう事が可能となっています。
失業保険を受け取れる最大額について
次に、失業保険を受け取ることのできる最大額についてですが、
自己都合退職の場合は、約125万円
会社都合退職の場合は、約275万円
こちらも自己都合退職よりも、2倍以上の金額を受け取ることができます。
正確な数字は画像に表示されています。
また、年齢や雇用保険加入期間によって変動しますので、詳しく確認したい場合は専門家に問合せましょう!
自己都合退職と言われてしまった時の解決策
ここまで、自己都合退職と会社都合退職の違いについて説明しましたが、かなりの差があることはわかりましたね。
ほとんどの方が、「会社都合退職の方がよいじゃないか!」と思われるかと思います。
自己都合退職 | 会社都合退職 | |
①失業保険をもらう事のできる タイミング | 申請日から3ヶ月後 | 申請日から1ヶ月後 |
②失業保険をもらう事のできる 期間 | 90日~150日 | 90日~330日 |
③失業保険をもらう事のできる 最大額 | 約125万円 | 約275万円 |
自己都合退職と言われてしまって困っているという方もいらっしゃると思います。
この内容を知ったら勝手に自己都合退職になってるのは納得いきませんよね。。。
しかし!!!
まだ、会社都合退職と同じ扱いで申請できる可能性があります。
「会社都合退職」で失業保険(手当)をもらう事ができるかもしれません!!
まだ落ち込むのは早いですよ!!
次の説明で詳しく解説いたします!
自己都合退職でも失業保険(手当)すぐもらう方法
ここからが本題となってきます。
退職理由による、失業保険(手当)の扱いの違いや、
自己都合退職と会社都合退職の違いについては理解ができましたね!
では、実際に自己都合退職でも失業保険(手当)をすぐもらう方法について解説していきます!
結論から申し上げますと、特定理由離職者又は、特定受給資格者
上記のどちらかに該当させることが必要です。
特定理由離職者ってどんな人が該当する?
まずは、特定理由離職者について説明します。
特定理由離職者には、大きく2つのパターンが存在します。
1つ目、派遣社員やパートなどの契約期間に定めがある方
2つ目、正当な理由がある自己都合退職される方
1つ目は、契約期間に定めがあり、更新する意思を伝えても更新出来なかった時に該当します。
また、更新出来なかった(させてくれない)場合は会社都合退職と全く同じ条件で失業保険を受け取ることができます。
※補足 「特定理由離職者」に該当する方のうち下記「特定理由離職者の範囲」の契約期間の定めがあり、更新出来なかった方については、受給資格に係る離職の日が平成21年3月31日から令和7年3月31日までの間にある方に限り、所定給付日数が「特定受給資格者」と同様になります。ただし、今後も期間が延長される可能性があります。
よく間違える人が多いですが、契約期間満了だからと言って会社都合退職と同じになるわけではありません。
また、令和7年3月31日までしか会社都合退職と同じ扱いではないので気を付けてください!!
ただし、平成21年から延長され続けており、今後も延長される可能性は十分にあります。
特定理由離職者はどの場合に該当する?
特定理由離職者は、正当な退職理由がある場合に該当します。
病気やケガ、親の介護や妊娠、残業時間が長いなどの自分自身の意思と反してやむを得ない事情がある事が必要です。
大きく分けると、2つにわけることができます。
・身体的な理由
・環境的な理由
上記の2つを具体的に説明しますと
・職場環境が原因で、適応障害、うつ状態、うつ病になってしまった。
・妊娠や出産、育児などの理由で退職することになった。
・両親の介護を行うことになり、離職せざる得ない場合
・通勤が不可能又は、困難となった場合
・希望退職者の募集に応じて退職する場合
などがあげられます。
上記のいずれかに該当することによって、特定理由離職者となり、会社都合退職と同じように給付制限なく失業保険をすぐもらうことができます。
※給付日数は、自己都合退職と同じ日数です。
特定受給資格者ってどんな人が該当する?
これは実はあまり知られていない“特定受給資格者”についての話なんですが、
調べてみると結構多くの人が該当する可能性があるかもしれません。
会社が倒産や解雇などの理由で
再就職の準備ができないまま退職を余儀なくされた人のことを指します。
ちなみに、「倒産や解雇」という言葉がありますが、特定受給資格者に該当する条件はそれだけではないのでご安心ください。
最も重要なポイントは「会社側の事情によって」という部分です。
つまり、もともと自己都合で退職したと思われていた人が、実際には会社都合での退職となったというパターンです。
これが起きる理由は、「会社都合」となると会社にデメリットがあるため、ほとんどの場合、離職票には「自己都合退職」と記載されることが多いんです。
会社にはどんなデメリットがあるんですか?
会社側のデメリットとは、補助金や助成金が利用できなくなることがあります。
これはかなり痛手なので、自己都合退職で従業員が辞めたということにしたいわけです。
企業の倒産以外で上げると、
・解雇による離職
・長時間労働だった
上記の場合は、会社都合退職となり、特定受給資格者に該当します。
特定受給資格者はどの場合に該当する?
特定受給資格者に該当するためには、「会社が倒産や解雇などの理由で再就職の準備ができないまま退職を余儀なくされた人のことを指します。」という条件があります。
「会社が倒産や解雇など」は、会社の倒産、解雇以外にどんな理由があるのか?
一覧でまとめました!
上記の条件を満たしていれば、特定受給資格者に該当します。
特定受給資格者または特定受給資格者で申請する方法は?
それでは、特定受給資格者または特定理由離職者の条件に当てはまることが分かった場合、どのようにして申請すればよいでしょうか?
まず結論から言いますと、お近くのハローワークに相談することをお勧めします。
特定受給資格者または特定理由離職者かどうかの判断は、ハローワークで行われるためです。
失業保険を早く受けるためには、ハローワークに特定受給資格者または特定理由離職者として認定してもらう必要があります。
そのためには、パワハラなどがあれば、録音データや体調不良があれば医師の診断書など、必要な証拠を集めるようにしましょう。
そして、お近くのハローワークを訪れて実際に相談してみてください。
まとめ:失業保険(手当)すぐもらう裏ワザについて
どうでしたでしょうか?
- 自己都合退職と会社都合退職では、失業保険の受給タイミング・期間・金額が異なること
- 会社が「自己都合退職」と認定しても、すぐに失業保険を受給できる可能性があること
- 退職時には早めに自分の状況を確認し、しっかりと失業保険を受け取ること
また、会社からの自己都合退職でも、今回紹介したように会社都合退職に変更できるケースが多く存在します!
ただし、制度に関しては理解できたけど、自分がどうなのか不安…
退職に関連する手続きが多すぎて、相談したい…
といった方も多いでしょう。
しかし、安心してください。
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