「雇用保険と健康保険の傷病手当の違いって何?」
「傷病手当は雇用保険の対象なの?」
「申請方法がよく分からない…」
似ている名前が多くてわかりにくいですよね、、、
傷病手当と呼ばれるものには「健康保険の傷病手当金」と「雇用保険の傷病手当」の2種類があります。
名前自体はそっくりですが、制度の内容が異なります。
本記事では、健康保険の傷病手当金と雇用保険の傷病手当の違いについて解説していきます。
この記事は元ハローワーク職員の私が解説します!
雇用保険の傷病手当と健康保険の傷病手当金の違い
傷病手当には2種類あり、「雇用保険の傷病手当」と「健康保険の傷病手当金」の2つに分かれます。
名前はとても似ていますが、全く異なる制度になります。
- 雇用保険の傷病手当とは、
-
求職活動中に長期にわたる病気やケガをして、職に就けない場合に支給される手当のことをいいます。
- 健康保険の傷病手当金とは、
-
被保険者が在職中に病気やケガで休業した場合に支給される手当のことをいいます。
「雇用保険の傷病手当」と「健康保険の傷病手当金」は受給条件がそれぞれ異なるため、同時に受給することができません。
大きな違いは、被保険者が在職中に病気やケガが原因で、働けなくなった時に受け取れるのが健康保険の傷病手当金で、被保険者が求職活動中に病気やケガが原因で、働けなくなった時に受け取れるのが雇用保険の傷病手当となります。
雇用保険の傷病手当とは
雇用保険の傷病手当とは、求職活動中に病気やケガが原因で、再就職できない人を対象に支給される手当のことをいいます。
雇用保険は労働者の雇用と生活の安定、早期の就職を図るための公的保険制度です。基本手当や技能習得手当など、様々な制度があります。
雇用保険の傷病手当の受給条件
「雇用保険の傷病手当」の受給条件について解説していきます。
まず条件として基本手当の受給資格があり、受給期間中であることが必要となってきます。
基本手当は、通常の失業手当のことです。
受給条件は下記の通りです。
基本手当の受給条件は以下の3点全て該当する必要があります。
- 管轄のハローワークで求職の申し込みをしていること。
- 働く意思と能力があるにも関わらず失業の状態であること。
- 離職日以前の2年間に雇用保険に加入していた期間が12か月以上であること。
次に傷病手当の受給条件をみていきます。
雇用保険の傷病手当の受給条件は以下の3点全て該当する必要があります。
- 基本手当の受給資格がある。
- 退職後にハローワークで求職の申し込みをしていること。
- 休職の申し込み後、病気や怪我で15日以上働くことができないこと。
働けない日数が14日までの場合は基本手当が支給されます。
15日を超えた場合は、傷病手当となります。
雇用保険の傷病手当の受給金額
傷病手当の受給金額は、基本手当の額と同じになります。
離職日前の6か月間で支払われた給料の平均から計算されて、受給金額が決まります。
給付率は退職した時の年齢によって異なり、給付率は45%から80%の割合の間で変化します。
離職時の年齢ごとによる上限額は以下の通りです。
【基本手当日額の上限】
年齢 | 基本手当日額の上限 |
---|---|
30 歳未満 | 6,760円 |
30 歳以上45歳未満 | 7,510円 |
45 歳以上60歳未満 | 8,265円 |
60 歳以上65歳未満 | 7,096円 |
また、基本手当の下限は年齢関係なく、2,061円となります。
雇用保険の傷病手当の受給期間
傷病手当の受給期間ついて解説します。
病気やケガなどで職業に就けない期間によって、受給できる手当の内容が異なります。
求職活動ができない日数 | 貰える手当の種類 |
---|---|
15日未満 | 基本手当のみ |
15日以上30日未満 | 傷病手当の受給 |
30日以上 | 傷病手当か基本手当の受給期間延長のどちらか |
雇用保険の傷病手当の申請方法
雇用保険の傷病手当の申請方法は以下の2点になります。
まずハローワークの窓口から申請書を入手して頂きます。オンラインで申請をすることもできます。
申請書を入手することができましたら、必要項目に記入をして頂きます。
記入項目に関しては以下の3点になります。
【記入項目】
⑴ 氏名、性別、生年月日
⑵ 診療担当者の証明
⑶ 受給の申請期間
申請書の記入が完了したら、ハローワークに提出します。
申請書の提出は、郵送や代理人の方でも可能です。
代理人の方が提出する場合は委任状が必要になります。
健康保険の傷病手当金とは
健康保険の傷病手当金とは、被保険者の生活を保障するために設けられた制度です。
病気やケガが原因で会社を休み、十分な報酬が受けられない場合に支給されます。
健康保険の傷病手当金の受給条件
「健康保険の傷病手当金」の受給条件について解説していきます。
以下の条件を満たすことで受給が可能です。
ここは段落ブロックです。文章をここに入力してください。
- 業務外の病気やケガによる療養のための休業であること
- 仕事が出来ない状態であること
- 連続する3日間を含めて4日以上仕事に就けなかったこと
- 休業していた期間に給与の支払いがないこと
もし、給与の支払いがあった場合は、傷病手当金は支給されないので、必ず確認をしておきましょう。
健康保険に加入している派遣社員、アルバイトの方も傷病手当金の受給対象となります。
健康保険の傷病手当金の受給金額
健康保険の傷病手当金は以下の計算式で求められます。
1日当たりの金額
支給開始日以前の継続した12ヶ月間の平均給与 ÷ 30日 × 3分の2
12ヶ月に満たない場合は以下の計算式で求められます。
・標準報酬月額の平均額
30万円:支給開始日が平成31年4月1日以降の方
わかりやす、早見表もご用意しました。
月額に関しては、30日給与がなかった場合の金額となっています。
健康保険の傷病手当金の受給期間
傷病手当金が支給されるタイミングは、病気やケガで休んだ期間のうち、最初の3日を除いて4日目からになります。
受給期間は、支給開始日から最長1年6カ月となります。
退職後に健康保険の資格を喪失しても、保険の加入期間が継続して1年以上ある場合は、傷病手当金が受給できるケースがあります。
また、会社の加入している組合によってルールが変わってきますので、専門家への確認は必要となってきます。
健康保険の組合数は、約1400組合あります。
組合ごとのルールで運営されているとなるとかなりややこしいですよね。。。
健康保険の傷病手当金の申請方法
傷病手当金の申請は以下の流れに沿って進めていきます。
まず「健康保険傷病手当金支給申請書」を用意して頂く必要があります。申請書は「被保険者記入用(2枚)」「事業主記入用」「療養担当者記入用」の4枚に分かれています。それぞれの申請書に必要事項を記入して頂く必要があります。
また、医療機関での受診も必要で、診断書の取得をして頂きます。
申請書の記入が終わりましたら、医療機関に診断書と共に提出をして頂きます。保険組合によって審査され、数週間から数か月かかる場合があります。
傷病手当と傷病手当金のよくある質問
傷病手当と傷病手当金についてのまとめ
今回は、「健康保険の傷病手当金」と「雇用保険の傷病手当」の違いについて解説させて頂きました。
名前こそ似ているものの、それぞれ制度が異なるので、状況に応じて使える制度が変わります。
自分の状況がどちらの手当に該当するのか確認し、申請手続きを行いましょう。
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相談は無料なので、退職を検討している方はまず問い合わせてみると良いでしょう。
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