「傷病手当金の申請をしたいけど、会社が嫌がりそうで不安…」
「会社にどう伝えたらいいのかわからない…」
「もし会社が拒否したらどうすればいいの?」
傷病手当金を申請したい方で、上記のようなお悩みはありませんか?
病気や怪我で休職が必要になった時、経済的な不安を抱える方は多いでしょう。傷病手当金は、休職が必要な際に役立つ制度ですが、申請をためらってしまう方もいると思います。
本記事では、会社が傷病手当金の申請を嫌がる理由、会社が嫌がる場合の対処法、傷病手当金を受給するための条件を解説します。
記事を読めば、傷病手当金を申請でき、休職中の生活を安心して過ごせるでしょう。
ぜひ最後まで読んでください。
なお、「転職×退職のサポート窓口」では、傷病手当金に関するご相談などを受け付けています。
傷病手当金に関する些細なお悩みでも丁寧に対応しますので、ぜひお気軽にご相談ください。
傷病手当金の申請を会社が嫌がる3つの理由
会社が傷病手当金の申請を嫌がる理由は、下記の3つが挙げられます。
- 労務管理の負担が増加する
- 業務の停滞や生産性低下を懸念している
- 会社が給付金を支払うと勘違いしている
順番に詳しく解説していきます。
労務管理の負担が増加する
会社が傷病手当金の申請を嫌がる理由には、労務管理の負担が挙げられます。
具体的には、傷病手当金の申請に際して、会社は申請書類の作成や提出などの事務手続きを行う必要があり、担当者には負担が大きい点です。
その他にも、休職者の状況を把握したり、復職支援のための面談や連絡を行ったりする必要があるため、労務管理業務が複雑化してしまいます。
また休職者が出た場合、業務を他の従業員へ振り分けが必要です。
業務の振り分けにより、他の従業員の負担が増えるだけでなく、引き継ぎに時間がかかります。
労務負担の増加や他の従業員への振り分けが重なるため、会社は傷病手当金の申請に消極的な場合が多いです。
業務の停滞や生産性低下を懸念している
会社が傷病手当金の申請を嫌がる理由として、従業員の休職による業務の停滞や生産性低下への懸念があります。
従業員が休職すると、一時的に人員が不足し、業務の遂行に影響が出ます。
中小企業などでは、人員に余裕がない場合が多く、一人でも欠けると業務に支障が出てしまうケースもあるでしょう。
代替要員の確保や教育には、コストと時間がかかるため、会社としては負担に感じてしまいます。
会社が給付金を支払うと勘違いしている
傷病手当金のよくある誤解として、会社自身が給付金を支払わなければならない認識をしているケースがあります。
傷病手当金は、健康保険組合または協会けんぽから支給されるものであり、会社が直接負担するものではありません。
しかし、健康保険料の一部を会社が負担しているため、傷病手当金の支給が増えると、会社が負担する保険料も上がると勘違いしている場合があるようです。
中小企業などでは、傷病手当金制度自体を正しく理解していないケースもあるため、申請に対して消極的な対応をとってしまう場合があります。
傷病手当金の申請を会社が嫌がる場合の5つの対処法
会社が傷病手当金の申請を嫌がる場合、下記のような対処法が考えられます。
- 会社の人事部門に再度交渉する
- 行政機関に相談する
- 健康保険組合に直接相談する
- 弁護士に相談する
- 傷病手当金申請サポートサービスを利用する
順番に詳しく解説していきます。
会社の人事部門に再度交渉する
会社が傷病手当金の申請を嫌がる場合、まずは会社の人事部門に再度交渉してみましょう。
会社側がなぜ申請を嫌がっているのか、具体的な理由を丁寧に聞き取ります。
誤って認識している場合は、傷病手当金制度の仕組みや会社の役割を説明するのがおすすめです。
傷病手当金の申請は労働者の権利であり、会社には手続きに協力する法的義務があります。
交渉の際は感情的にならず、あくまで協力を求める姿勢で話を進めれば、前向きな対応を引き出しやすくなります。
行政機関に相談する
会社との交渉がうまくいかない場合は、労働基準監督署、ハローワーク、全国健康保険協会(協会けんぽ)などの行政機関に相談してみましょう。
上記の機関には、専門的な知識と経験を持つ職員が在籍しており、適切なアドバイスや支援を受けられます。
また公的機関であるため、中立的な立場から相談に乗ってくれるメリットもあります。
例えば、ハローワークでは、傷病手当金と失業給付の関係の相談が可能です。
労働基準監督署では、傷病手当金の申請に関する法的な権利に関して説明を受けられます。
会社との話がうまく進まない場合は、公的機関を利用してみてください。
健康保険組合に直接相談する
会社が傷病手当金の申請を進めてくれない場合、健康保険組合に直接相談する方法もあります。
健康保険組合は傷病手当金制度を管理する機関であるため、制度の詳細や申請手続きなど正確な情報を提供してくれます。
会社を介さずに直接申請する方法があるかどうかも確認も可能です。
弁護士に相談する
会社が傷病手当金の申請を不当に拒否したり、手続きに協力しなかったりする場合は、弁護士への相談も検討しましょう。
弁護士に相談すれば、法的知識と経験に基づいた専門的なアドバイスを受けられます。
必要に応じて、会社との交渉を代理で行ってもらうことも可能です。
傷病手当金申請サポートサービスを利用する
傷病手当金の申請を専門業者に依頼する方法もあります。
傷病手当金申請サポートサービスを提供している事業者の中には、申請書類の作成から提出までを代行してくれるところもあります。
傷病手当金申請サポートサービスを利用すれば、会社との交渉や必要書類の取得などをサポートしてもらえるでしょう。
なお、「転職×退職のサポート窓口」では、傷病手当金に関するご相談などを受け付けています。
傷病手当金に関する些細なお悩みでも丁寧に対応しますので、ぜひお気軽にご相談ください。
傷病手当金をもらうための条件
傷病手当金を受給するには、以下の4つの条件をすべて満たす必要があります。
- 業務外の事由による病気や怪我の療養のための休業であること
- 仕事に就けないこと
- 連続する3日間を含み4日以上仕事を休んでいること
- 休業した期間に給与の支払いがないこと
順番に解説していきます。
業務外の事由による病気や怪我の療養のための休業であること
傷病手当金は、業務外の事由による病気や怪我の療養のための休業に対して支給されます。
仕事中の事故や通勤途中の事故で怪我をした場合は、労災保険の対象となるため、傷病手当金は支給されません。
例えば、自宅で転倒して骨折し、入院や自宅療養が必要になった場合や、風邪やインフルエンザに罹患し、医師の診断で休養が必要と判断された場合は、傷病手当金の対象です。
仕事に就けないこと
傷病手当金を受給するには、「仕事に就けない」状態、つまり労務不能であることが必要です。
医師が診断書で「就労不可」と判断した場合や、療養担当者の意見を基に、被保険者の仕事の内容を考慮して判断されます。
例えば、店舗での接客業務担当者が、長時間の立ち仕事ができない状態になった場合や、販売員が軽易な作業しかできない体調である場合は、労務不能と判断される可能性があります。
なお、仕事が限界だと感じているサインに関しては、詳しく解説した以下の記事も参考にしてください。
連続する3日間を含み4日以上仕事を休んでいること
傷病手当金を受給するには、連続する3日間を含み、4日以上仕事を休んでいる必要があります。
理由としては、短期の病気や怪我を除外するためです。
連続する3日間とは、土日祝日を含みます。
例えば、月曜日から木曜日まで4日間連続で休んだ場合や、金曜日に休み、土日を挟んで月曜日も休んだ場合は、傷病手当金の受給条件を満たします。
休業した期間に給与の支払いがないこと
傷病手当金を受給するには、休業した期間に給与の支払いがないことが条件です。
傷病手当金の目的は、病気や怪我で働けない人の生活保障にあるため、給与が支払われている場合は支給されません。
例えば、無給の病気休暇を取得した場合や、欠勤扱いで給与が支払われない場合は、傷病手当金の対象となります。
しかし、有給休暇を使用して休んだ場合や、休業中も基本給が支払われている場合は、傷病手当金は支給されません。
参考:病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)|全国健康保険協会
傷病手当金の審査は厳しいですか?
傷病手当金の審査は、健康保険法などの関連法規に基づいて、公正かつ厳格に行われます。
審査が厳しい理由は、不正受給を防ぎ、本当に必要な人に適切に支給するためです。
必要書類をきちんと揃え、受給資格を満たしていれば、過度に心配する必要はありません。
審査は、主に以下の流れで行われます。
- 書類審査:申請書や添付書類(医師の診断書、就業規則など)の内容が確認される
- 事実確認:申請内容の真偽を確認するため、会社や医療機関に問い合わせが行われる
- 医療照会:必要に応じて、健康保険組合が医師に意見を求める「医療照会」が行われる
審査の結果、受給資格を満たしていると判断されれば、傷病手当金が支給されます。
虚偽の申請や不正受給が発覚した場合、支給された傷病手当金の返還を求められるだけでなく、罰則が適用される場合もあります。
スムーズに審査を通過するためには、以下の点に注意しましょう。
- 申請書類は正確かつ丁寧に記入する
- 必要な添付書類を漏れなく準備する
- 医師の診断書は、傷病名、症状、就労不能期間などが明確に記載されているものを用意する
- 会社との連絡を密に取り、必要な情報を共有する
傷病手当金の審査は、厳格に行われますが、制度を適切に運用し、本当に困っている人を支援するために行われます。
正しく理解し、適切な対応をすれば、安心して申請手続きを進められるでしょう。
参考:健康保険法
傷病手当金の申請を会社が嫌がる場合は「転職×退職のサポート窓口」への相談がおすすめ!
傷病手当金の申請を検討しているものの、会社が嫌がるのではないかと不安に感じ、申請をためらっている方は多いです。
あるいは、すでに会社から申請を拒否されたり、嫌がらせを受けていたりする方もいるでしょう。
傷病手当金は、病気や怪我で働けなくなった労働者の生活を保障するための重要な制度であり、労働者の権利です。
会社が申請を嫌がる理由には、手続きの煩雑さや、従業員の休職による業務への影響などがあります。
ただ、こういった理由は会社側の問題であり、申請を拒否する正当な理由にはなりません。
会社が傷病手当金の申請を不当に拒否したり、手続きに非協力的であったりする場合は、ハローワークなどの公的機関などに相談してみましょう。
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