「失業保険をもらいながらアルバイトしていいの?」
「アルバイトしてもばれなかった人がいるって聞いたけど、本当はどうなの?」
「どこまでアルバイトで収入を得てよいのか知りたい」
失業保険を受給しながらのアルバイトは、一定の条件を満たせば認められています。
しかし条件を満たさないアルバイトや、申告しなかった場合は、不正受給とみなされ厳しい罰則が科せられます。
インターネット上には、「失業保険をもらいながらアルバイトをしていてもばれなかった」などの情報も出回っていますが、正しいことではありません。
本記事では、失業保険受給中にアルバイトがばれる理由や不正受給に該当するケース、罰則に関して解説します。正しい知識を身につけて、適切な行動をとりましょう。
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失業保険受給中のバイトがばれなかった人はいる?
インターネット上で「失業保険を受給しながらアルバイトをしていてもばれなかった」との情報を見かける場合がありますが、参考にはなりません。
理由は、大きく分けて2つあります。
- 「ばれなかった」話は参考にできない
- バイトをしていることは高確率でばれる
失業保険の不正受給は、法律で禁止されているため「ばれなかった人がいるから大丈夫」などと安易に考えるのは禁物です。発覚した場合には、厳しい罰則が科される可能性があることを理解しておきましょう。
それぞれの理由に関して、詳しく紹介します。
「ばれなかった」話は参考にできない
インターネット上には、「失業保険を受給しながらアルバイトをしていてもばれなかった」などの体験談が数多く掲載されています。
知人やSNSの投稿などでも「ばれなかった」と話を聞くこともあるかもしれませんが、鵜呑みにするのは危険です。
不正受給をしていない保証は無く、仮に受給できた場合も、単に運が良かっただけで発覚しなかった可能性も考えられます。
ばれなかった話はあくまでも個人の体験であり、客観的な根拠に基づいた情報ではありません。また、現在の状況とは異なる可能性もあります。
他人の体験談を参考にするのではなく、厚生労働省のWebサイトやハローワークの窓口などで、最新の正しい情報を取得するようにしましょう。
参考:厚生労働省
バイトをしていることは高確率でばれる
ハローワークの調査体制は常に変化しており、不正受給の摘発は年々厳しくなってきました。失業保険を受給しながらアルバイトをしていると、高確率で発覚します。
ハローワークは不正受給の防止のため、2つの方法で収入状況を確認しています。
- 税務署との情報連携:税務署と連携し、企業の支払い状況や受給者の収入状況を把握する。
- アルバイト先への調査:必要に応じてアルバイト先へ直接調査を行う
アルバイト先から情報提供を求められた場合、企業はそれに応じる義務があります。「ばれないだろう」などの甘い考えは捨て、ルールを守って失業保険制度を利用しましょう。
失業保険受給中のバイトはなぜばれる?3つの理由を解説
失業保険受給中のアルバイトがばれる主な理由は以下の3つです。
- ハローワークの調査
- 失業認定の更新時の確認
- 知人からの通報
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ハローワークの調査
ハローワークは不正受給を防止するために、主に以下2つの調査を行います。
- 事業所調査:ハローワークの職員が、アルバイト先に直接出向き、勤務実態や収入の有無などを確認
- データ照合:税務署や年金事務所、地方自治体などと情報連携を行い、受給者の収入状況を把握
アルバイト収入を申告していない場合、データ照合によって発覚する可能性があります。
調査は定期的に行われているだけでなく、不正受給の疑いがある場合など、必要に応じて随時行われることもあります。
「バレないだろう」と安易に考えてアルバイトをすると、後々大きなペナルティを受ける可能性があるので注意しましょう。
失業認定の更新時の確認
失業保険の受給中は、4週間に一度のペースで失業認定の更新手続きを行う必要があります。手続きでは、ハローワーク職員から、就職活動の状況や収入の有無に関して質問されます。
もし、受給者が申告した給与や労働時間に矛盾や違和感があった場合、ハローワーク職員は不正受給の疑いを持って、詳細な調査を行う可能性が高いです。
失業認定申告書には、自身の現状を細かく記載して提出する必要があり、虚偽の内容で申告した場合は不正受給に該当します。
悪質な不正受給と判断された場合は、より重い罰則が科されるかもしれません。
申告内容と事実の間にずれがある場合、不正受給が発覚するケースがあります。申告する際は、正直に、正確な情報を伝えましょう。
知人の通報
失業保険の不正受給は、知人からの通報によって発覚するケースも少なくありません。通報者は、友人や知人・元同僚・近隣住民など、誰でも可能です。
また、匿名での通報も受け付けているため、誰が通報したのか特定できません。
「身近な人には絶対に言わないから大丈夫」と考えている方もいるかもしれませんが、情報は思わぬところで漏れてしまう可能性があります。
不正受給は、いつ誰が通報するかわからないリスクがあることを理解しておきましょう。
失業保険の不正受給に該当しないバイトの条件
失業保険を受給しながらアルバイトするには、不正受給とみなされないために、下記の5つの条件をすべて満たす必要があります。
- 待機期間以降に就業している
- 週20時間未満の労働である
- 31日未満の短期雇用である
- 基本手当日額の80%を超えない
- 失業認定申告書で申告している
失業保険の受給には「待機期間」があります。ハローワークに離職票を提出してから7日間は、求職活動の準備期間とみなされ、失業手当が原則支給されません。
アルバイトの労働条件は、週20時間未満かつ31日未満の短期雇用です。条件から外れると失業保険の受給資格を失います。またアルバイトの収入が、失業保険で1日に受け取れる金額(基本手当日額)の80%を超えた場合、手当から差し引かれます。
失業認定申告書には、就業先や労働時間、収入などの記入が必要です。申告しなかった場合は、不正受給とみなされる可能性があるため、忘れずに対応しましょう。
失業保険受給中にアルバイトする際の注意点は、下の記事で詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
失業保険の不正受給に該当するバイトの2つのケース
失業保険の受給中にアルバイトをする場合、下記の2つのケースは不正受給に該当します。
- バイトをしていることを申告しない
- 労働時間や給与について虚偽の申告をする
知らずに不正受給しないためにも、把握しておきましょう。
バイトをしていることを申告しない
ハローワークに申告しない状態で、失業保険の受給中にアルバイトをしていた場合は、不正受給に該当します。たとえ条件を満たしたアルバイトであっても、申告は必要です。
バイトをしないと経済的に厳しい場合は、ハローワークの担当者に相談や報告をしましょう。状況によっては、就労が可能な支援制度を紹介してもらえる可能性もあります。
労働時間や給与について虚偽の申告をする
アルバイトに関してハローワークに申告する際は、給与や労働時間を正確に記載する必要があります。
意図的に虚偽の申告をした場合だけでなく、うっかりミスで誤った内容を記載した場合でも、不正受給に該当する可能性が高いです。
申告するときは、給与明細や労働契約書などで、労働時間や給与額をしっかり確認しておきましょう。
失業保険受給中のバイトが不正受給とみなされた場合の罰則
失業保険受給中のアルバイトが不正受給とみなされた場合、下記のような罰則が科される可能性があります。
- 失業保険の支給停止
- 不正受給した金額を返還
- 不正受給した金額の2倍を納付
- 財産の差し押さえ
- 刑事告訴
通常は、支給停止と不正受給した金額の返還の2つの罰則が適用されます。
意図的な無申告や虚偽の申告など、悪質だと判断された場合は、不正受給した金額の2倍の納付が命じられる可能性があります。
また、返還や納付に応じない場合は、財産の差し押さえや刑事告訴のリスクもあります。
下の記事では、失業保険の不正受給がばれた場合の対応に関して紹介しています。正しく受給するヒントが分かるので、ぜひ参考にしてください。
失業保険の不正受給がばれたらどうなる? 5つの罰則やばれる理由・対処法を解説(内部リンクを追加)
失業保険受給中にバイトをするメリットは収入を増やせること
失業保険を受給中にアルバイトをする最大のメリットは、収入を増やせることです。失業保険だけでは生活が厳しい場合、アルバイトで資金調達する方法が使えます。
しかし、失業保険の受給中にアルバイトをする場合は、次のような制限があります。
- 労働時間:週20時間未満
- 就業期間:31日未満(短期雇用)
- 1日あたりの収入:基本手当日額の80%
そのため、失業保険を受給中にアルバイトをする際は、労働時間や就業期間などの管理が必要です。
上記の条件を満たさないアルバイトは、不正受給とみなされる可能性があるため注意しましょう。
失業保険受給中にバイトをする2つのデメリット
失業保険を受給中にアルバイトをするデメリットは、主に以下の2つです。
- 受給停止や罰金、刑事告訴のリスクがある
- 就職活動に集中できなくなる
それぞれに関して、詳しく紹介します。
受給停止や罰金・刑事告訴のリスクがある
失業保険の受給中に、条件を満たさないアルバイトをした場合、受給停止処分を受ける可能性が高くなります。
また無申告でアルバイトをした場合や、申告内容に虚偽があった場合は、不正受給に該当します。
不正受給が発覚すると、支給された手当の返還だけでなく、罰金や刑事告訴のリスクもあるため注意しなければいけません。
就職活動に集中できなくなる
本来、失業保険は、就職活動期間中の生活をサポートするためのものです。
アルバイトに時間や労力を取られてしまうと、就職活動に割ける時間が少なくなってしまいます。
就職活動の時間が短くなり、再就職先にミスマッチが起きてしまっては本末転倒です。
失業保険の手当で生活できる範囲で生活を切り詰め、早期に内定獲得を目指しましょう。
失業保険の受給についての相談は「転職×退職のサポート窓口」がおすすめ!
失業保険の受給中もアルバイトできますが、就業期間や労働時間、収入などの制限があります。制限を無視してアルバイトをしても、さまざまなタイミングでばれる可能性が高い行為です。また無申告や虚偽の申告をしても、不正受給とみなされ、罰則が科される場合があります。
失業保険の受給中にアルバイトをする場合は、受給停止や不正受給に該当しない条件をしっかりと把握しておきましょう。
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