現在ダブルワークを行い、これから失業保険を受給しようと検討している方のなかに上記のようなお悩みはありませんか?
- 「ダブルワークで失業保険は受けられるのか知りたい」
- 「失業保険の受給条件や手続き方法が分からない」
- 「不正受給や二重加入のリスクを避けたい」
ダブルワークでも失業保険(基本手当)を受けられる可能性はあります。ただし、雇用保険に加入できる条件と、失業保険を受けられる条件は別です。さらに、片方だけ辞めた場合、残っている仕事の労働時間でも扱いが大きく変わります。
元ハロワ職員<br>阿部本記事では、ダブルワークで失業保険を受ける際の条件や手続き方法、受給金額の計算方法や注意点などを詳しく解説しています。
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【結論】ダブルワークでも失業保険(雇用保険)が受けられる
結論から言うと、ダブルワークでも失業保険(雇用保険)が受けられますが、雇用保険の被保険者となれるのは原則として1社のみです。
ダブルワークしている場合、収入が多い方の企業で雇用保険に加入する仕組みのため、収入が多い方の会社を離職すると失業保険を受給できます。
結論として、次のように考えると分かりやすいです。
- 雇用保険は原則1社のみ加入(65歳以上の例外がある)
- 両方辞めたなら、通常の離職と同じように要件を満たせば失業保険の申請ができる
- 片方だけ辞めた場合は、残った仕事の週の労働時間と求職意思が必要
- 受給中の仕事は、1日4時間・週20時間のラインで扱いが変わる
つまり、「ダブルワークなら失業保険はもらえない」とも、「ダブルワークでも必ずもらえる」とも言えません。まずは受給条件から見ていきましょう。
ダブルワークで失業保険を受け取る3つの条件
↑気になる項目をタップで該当箇所にスクロールします。
※ダブルワークをしていた仕事を同時に辞めていれば特に影響はありません。
離職前からの一方の仕事が事業規模でない場合に限り、失業保険の受給が認められる場合があります。ただし、以下で解説するように、待機期間中および受給期間中のもう一方の仕事の労働時間に制限があります。
就労とみなされない範囲でもう一方の仕事を行い、申告を正確に行うことが必要不可欠です。
なお、失業保険(失業手当)を受給できる条件を詳しく知りたい方は、以下の記事をご参照ください。
待機期間中にもう一方の仕事の仕事をしないこと
待機期間は、ハローワークでの手続き後7日間とされています。この期間は「職業に就いていない状態(週20時間以上のアルバイトなども含む)」でなければいけません。
また、アルバイト・パート・日雇いなど就労形態を問わず、仕事をしてはいけません。待機期間中に収入が発生した場合、待機期間が延長され、失業保険の受給開始が遅れてしまいます。
資産運用やポイ活など判断が難しい場合は、ハローワークへ確認しましょう。なお、雇用保険受給について詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。
失業保険(手当)受給中にウーバーイーツでの労働を検討している方は、以下の記事をご参考ください。
参考文献:雇用保険受給の基本|厚生労働省
もう一方の仕事に充てる時間を週20時間未満にすること
週20時間以上の仕事を行うと雇用保険に加入しなければいけないため、「継続した就労」と判断されます。そのため、失業保険の申請要件を満たせない状態となります。
また、週20時間以上働くと、働いていない日も含めて失業保険の支給対象外になる可能性もあるため注意が必要です。
ダブルワークでアルバイトやパートしている場合、受給期間中および給付制限期間中のシフト調整が必要になる可能性があります。
元ハロワ職員<br>阿部ダブルワークをしていて失業保険を受給する際は、同時に離職をしていれば特に影響はありませんが、継続している方は、仕事の労働時間にも注意しましょう。
給付期間中はもう一方の仕事に充てる時間を1日4時間未満にすること
これは受給条件ではない部分ですが、失業保険の申請後は週20時間未満であればアルバイト等はできますが、アルバイト等をすると失業保険の受給額が減ってしまいます。
4時間以上の労働は「就職または就労」とみなされます。1日4時間以上仕事した場合、その日は失業保険の支給対象外となってしまいます。
給付制限期間中(1〜3ヵ月)でも、労働時間の制限は同様です。アルバイトに関する制限等は以下の記事を参考にしてください。
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【重要】ダブルワークの雇用保険加入ルール
ダブル(W)ワークで一番勘違いしやすいのが、雇用保険の加入ルールです。
↑気になる項目をタップで該当箇所にスクロールします。
原則として雇用保険に入れるのは1社だけ
雇用保険は、原則として複数の会社で同時に加入することはできません。
複数の会社で働いていて、それぞれの会社で雇用保険の加入要件を満たしている場合でも、加入するのは「生計を維持するに必要な主たる賃金を受ける会社」のみです。
よく「収入が多い方の会社」と説明されますが、実務上はそうなることが多いものの、公式の考え方は主たる賃金を受ける雇用関係です。そのため、単純に時給だけで決めるのではなく、勤務実態や生計維持の中心がどちらかを見る形になります。
加入要件は1社ごとに判定される
雇用保険の加入要件は、次の2つです。
- 週の所定労働時間が20時間以上
- 31日以上の雇用見込みがある
ここで大事なのは、この要件は1社ごとに判定されるという点です。
たとえば、A社10時間・B社12時間で合計22時間働いていても、どちらの会社も単独で20時間に届かなければ、原則として一般の雇用保険には加入できません。
わかりやすくまとめると以下になります。
- 2社とも週20時間以上:主たる賃金を受けている1社のみ雇用保険に加入
- 1社だけ週20時間以上:週20時間以上勤務している会社で雇用保険に加入
- 2社とも週20時間未満:原則どちらの会社でも雇用保険に加入できない
元ハロワ職員<br>阿部つまり、「掛け持ちの時間を足せば20時間を超えるから大丈夫」と考えるのは誤りになります。
65歳以上はマルチジョブホルダー制度がある
ただし、65歳以上には例外があります。
それが、雇用保険マルチジョブホルダー制度です。これは、複数の事業所で働く65歳以上の人が、2つの事業所の労働時間を合計して雇用保険に入れる特例です。
要件は次のとおりです。
- 65歳以上であること
- 2つの事業所それぞれで、週の所定労働時間が5時間以上20時間未満
- 2社合計で週20時間以上
- 各社とも31日以上の雇用見込みがあること
ただし、この制度で受けられるのは、一般の失業保険ではなく、原則として高年齢求職者給付金です。65歳未満のダブルワークとは制度が違うので、混同しないようにしてください。
個人事業主とのダブルワークは2021年以降の扱い
「会社員+個人事業主」「パート+自営業」のようなダブルワークもあります。
この場合、令和3年1月1日以降は、自営業収入の方が多いかどうかに関わらず、雇用契約側(会社員・アルバイト等)が週20時間以上・31日以上見込みを満たせば、雇用保険の資格取得が必要です。
つまり、個人事業主だからといって、雇用されている仕事の雇用保険が自動的に外れるわけではありません。
一方で、離職後に自営業に専念して求職活動をしないなら、失業保険(基本手当)は受けられません。これは「就職しようとする積極的な意思と能力がある」という部分で失業保険受給条件を満たすことができないからです。
元ハロワ職員<br>阿部個人事業主や自営業での仕事は基本せず、再就職をする前提があれば失業保険の申請を行える可能性があります。
ダブルワークをしている方が失業保険で受け取れる金額の計算方法
ダブルワークで誤解されやすいのが、「2社分の賃金を合算して失業保険受給ができるか?」という点です。
ダブルワークをしている方が失業保険で受け取れる金額の計算に必要な内容は以下の2つです。
- 基本手当日額を求める
- 収入がある場合の減額計算
失業保険の受給は、新しい職場に就職するまでの生活の支えとなります。どの程度の失業保険を受け取れるのか、それぞれ詳しく見ていきましょう。
基本手当日額
失業保険の受給額は「基本手当日額」がベースになっています。
基本手当日額は、賃金日額(直近6ヵ月の賃金合計÷180日)に所定の給付率をかけて算出された金額です。
給付率は離職時の年齢によって変動し、年齢が高いほど給付率は低くなる傾向にあります。
⇒給付率についてはこちらの記事で確認できます。
元ハロワ職員<br>阿部また、ダブルワークで失業保険を受給する際は、主たる職場(収入が多い方)の賃金をもとに基本手当日額が計算されます。そのため、もう一方の仕事の収入は、受給額の計算には用いられません。
また、下記で解説しますが仕事を継続していた場合に減額計算の対象になるため注意しましょう。主たる職場をやめると同時にもう1つの仕事も辞めていれば影響はありません。
【2026年の制度に対応】
失業保険の受給額は、勤続年数や退職理由、給与によって変わります。下のシミュレーションに数字を入力して、最新ルールでの受給見込み額を今すぐチェックしてみましょう。
収入がある場合の減額計算
失業保険の受給期間にパートやアルバイトなど、副業による収入がある場合、基本手当日額が減額されます。
減額幅は以下の計算式で求められます。
減額幅=(4時間未満の賃金÷労働日数−内職控除額+基本手当日額)−賃金日額×0.8
なお、減額幅は複雑な計算が必要なため、ハローワークに確認するのが確実です。
ダブルワークで失業保険を受給する際は、もう一方の仕事の収入を正確に申告し、減額計算を行う必要があります。申告しない場合には不正受給とみなされ、失業保険の停止や全額返還などペナルティがあるため必ず申告しましょう。
失業保険の受給手続き方法【4STEP】
失業保険の受給手続きは以下の4つのステップで行います。
- どの会社の離職票で手続きするか確認する
- 必要な書類を準備してハローワークに申請する
- 雇用保険受給者初回説明会に出席する
- 失業認定を受け取る
これから、失業保険の受給を検討している方は、それぞれのステップを詳しく確認していきましょう。
なお、失業保険をすぐにもらう方法については、以下の記事で元ハローワーク職員が詳しく解説しています。自己都合で退職された方は特に参考になるはずです。ぜひご覧ください。
1.どの会社の離職票で手続きするか確認する
まずは、自分が雇用保険の被保険者になっていた会社がどこかを確認します。
ダブルワークでは、片方だけ辞めたつもりでも、失業保険の手続きに使うべき離職票(雇用保険に加入している会社)がどちらか分からなくなることがあります。ここを間違えると、そもそも失業保険の申請要件を満たせていなかったなんてこともあります。
2.必要な書類を準備してハローワークに申請する
失業保険の申請は管轄のハローワークで行います。
申請に必要な書類は以下のとおりです。
- 離職票1および2(離職した企業から受け取る)
- 個人番号確認書類(マイナンバーカード、通知書など)
- 本人確認書類(運転免許証やパスポートなど)
- 写真2枚(縦3cm×横2.4cm、正面上半身の写真)
- 本人名義の預金通帳またはキャッシュカード
ハローワークでは受給資格の申請と求職の申し込みを行います。
失業保険の申請後、7日間の「待機期間」が設定され、この期間中はアルバイトや副業などの仕事をしてはいけません。
もし、収入が発生すると待機期間が延長されるため注意しましょう。
3.雇用保険受給者初回説明会に出席する
待機期間終了後、ハローワークで開催される雇用保険受給者初回説明会に出席しなければいけません。
説明会では、失業保険の受給手続きの流れや求職活動の詳細が説明されます。また、「雇用保険受給資格者証」と「失業認定申告書」が渡され、初回の失業認定日が指定されます。
説明会に出席しなければ、失業保険を受給できなくなるので注意しましょう。そのため、説明会での内容を把握し、以降の認定などの手続きについて知っておく必要があります。
4.失業認定を受け取る
失業認定日は4週間に1回、指定された日時にハローワークへ行き、失業状態であることを認定される必要があります。
また、失業認定の際は以下の書類を提出します。
- 雇用保険受給資格者証
- 失業認定申告書(求職活動の実績や副業の有無を記載)
副業やアルバイトしている場合、労働時間が1日4時間未満であれば「内職・手伝い」とされます。
しかし、1日4時間以上の労働は「就労」と判断され支給対象外となります。また、週20時間以上働く場合は雇用保険の対象になるため、失業保険を受け取れません。
ただし、失業認定の際は、副業や収入がある場合は必ず申告しなければいけません。虚偽の報告をすると不正受給とみなされ、厳しい処罰が下されるので注意が必要です。
そのため、失業保険を受給する際は、定められた日程を守り、収入がある場合は正しく申告しましょう。
ダブルワークで失業保険を受ける場合の注意点
ダブルワークで失業保険を受ける際は、以下2つの注意点を守る必要があります。
↑気になる項目をタップで該当箇所にスクロールします。
正しく失業保険を受給するためにも、それぞれ詳しく見ていきましょう。
不正受給に注意する
ダブルワーク中に失業手当を受給する場合、収入や労働時間を必ずハローワークに申告する必要があります。
1日4時間以上働いた場合は、失業状態とみなされず手当の支給対象外になります。
また、1日の労働時間が4時間未満でも収入に応じて手当が減額されるので注意が必要です。
失業保険の受給開始時には7日間の待機期間が設けられ、この期間中に就業があると失業状態が認定されません。
この際、副業やダブルワークを行った場合、待機期間が無効になる可能性があります。
もし、不正受給が発覚すると、受給額の3倍以上の金額を返還するペナルティが科される場合があります。
そのため、ダブルワークによる収入がある場合は、正しく申告しましょう。
雇用保険の二重加入に注意する
雇用保険に加入できるのは「主たる職場」のみです。主たる職場は「労働時間が長い」または「収入が多い」職場が該当します。
基本的に、副業先が雇用保険の申請を行っても、役所が二重加入を拒否する仕組みがあるため、通常加入できません。
ただし、手続きミスにより二重加入が発生した場合、収入が少ない方の職場に「取消願」を提出する必要があります。
雇用保険の二重加入自体には罰則はありません。しかし、失業後の手続きが複雑になる可能性があるため、早めに訂正手続きを行いましょう。
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まとめ:ダブルワークで失業保険に不安があるなら
基本的にダブルワークでも失業保険を受給できますが、以下3つの条件を満たす必要があります。
- 待機期間中にもう一方の仕事の仕事をしないこと
- 給付期間中はもう一方の仕事に充てる時間を1日4時間未満にすること
- もう一方の仕事に充てる時間を週20時間未満にすること
ただし、ダブルワークで失業保険を受給する際は、収入を正しく申告しなければいけません。
もし、不正受給が発覚すると、受給額の3倍以上の金額を返還するペナルティが科される場合があります。
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