「失業保険、もらえると思っていたのに、もらえない…」
「どのようなケースでもらえないの?」
「失業保険はどんな人が受け取れるの?」
失業保険を受給したいと思っている方で、上記のような疑問はありませんか?
失業保険は、誰でも受給できるわけではなく、一定の条件を満たす必要があります。
条件を満たしていない場合、失業保険はもらえません。
本記事では、失業保険がもらえない8つのケースを、具体的な例を挙げながら分かりやすく解説します。
これから失業保険を受給したいと考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。
なお、「転職×退職のサポート窓口」では、失業保険受給に関するご相談や受給額の診断までサポートしています。
失業保険に関する些細なお悩みでも丁寧に対応しますので、ぜひお気軽にご相談ください。
失業保険がもらえない8つのケース
失業保険がもらえないケースは、以下の8つです。
- 働く意思がない
- 病気や怪我ですぐに働けない
- ハローワークで失業認定を受けていない
- 雇用保険の加入期間が足りない
- 年金を受給している
- 傷病手当金を受給している
- 一定以上のアルバイトをしている
- 自営業を行っている
上記のポイントを押さえておくことで、失業保険の申請時にトラブルを防げます。
では、それぞれのケースを詳しく見ていきましょう。
働く意思がない
失業保険は、積極的に就職活動を行う意思がある人が対象です。
退職後に働く意思がないとハローワークに判断された場合、失業手当は支給されません。
また、求職活動の実績が不十分な場合や、就職活動を行う意思がないと判断された場合も同様です。
例えば、以下のような理由の場合は、支給の対象にはなりません。
- しばらく休養してから就職活動を始めたい
- 留学やワーキングホリデーに行く予定がある
- 家事や育児に専念したい
失業保険は、あくまでも「就職活動中の生活を支援する」ための制度であることを理解しておきましょう。
病気や怪我ですぐに働けない
いつでも就職できる健康状態や生活環境になければ、失業保険はもらえません。妊娠・出産・育児や病気、怪我などで就職できない場合は、受給対象外となります。
ただし、病気や怪我で働けない場合は、「傷病手当金」を受給できる可能性があります。
傷病手当金は、健康保険に加入している人が、病気や怪我で働けなくなった場合に支給される手当です。
失業保険とは異なり、就労ができない状態であることが受給条件となります。
また、特定理由離職者の認定を受けられる場合も、失業保険を受給できる可能性があります。
特定理由離職者とは、妊娠・出産・育児や病気、怪我、介護など、やむを得ない理由で退職した人のことです。
特定理由離職者に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。
ハローワークで失業認定を受けていない
失業手当を受給するには、ハローワークで失業認定を受ける必要があります。
失業認定とは、4週間に一度、ハローワークで失業状態の確認を受ける手続きです。
上記の手続きを行わないと、失業状態とは認められず、失業手当はもらえません。
また、認定日にハローワークの窓口に行かなかった場合や、求職活動の実績が認められなかった場合も、失業認定は受けられません。
失業認定を受け続けるためには、積極的に求職活動を行い、実績をハローワークに報告する必要があります。
雇用保険の加入期間が足りない
離職時点での雇用保険の加入期間が、失業保険の受給条件を満たしていない場合、失業手当はもらえません。
原則として、離職日以前の2年間のうち、被保険者期間が12ヵ月以上あることが受給条件です。
被保険者期間とは、雇用保険に加入していた期間のことです。
転職後12ヵ月未満で自己都合退職した場合も、雇用保険の加入期間が不足するため、失業手当はもらえません。
ただし、特定理由離職者や特定受給資格者に該当する場合は、例外として失業手当が支給される場合があります。
参考:基本手当について | ハローワークインターネットサービス
年金を受給している
老齢年金などの年金を受給している場合は、失業保険はもらえません。
年金は老後の生活を保障するための制度であり、失業保険とは目的が異なるため、両方の制度を同時に受給できません。
年金受給者が失業保険の認定を受けた場合、一時的に年金の支給が停止されます。
年金と失業保険、どちらを受給するのがご自身にとって有利なのか、それぞれの支給額や受給期間などを比較検討し、判断しましょう。
傷病手当金を受給している
傷病手当金とは、病気や怪我で働けなくなった場合に、会社や健康保険組合から支給される手当です。
傷病手当金を受給している間は、失業保険を受給できません。
傷病手当金は、病気や怪我で働けない期間の所得を補償するための制度ですが、失業手当は、求職活動中の生活を支援するための制度です。
両方の制度を同時に受給できないので、病気や怪我で働けない場合は傷病手当金、求職活動中の方は失業保険のように、状況に応じて適切な制度を選択しましょう。
一定以上のアルバイトをしている
失業保険を受給中は、一定の条件を満たせばアルバイトが可能です。
しかし、一定以上の労働時間や収入があるアルバイトをしていると、失業状態には該当しないとみなされ、失業保険はもらえなくなります。
失業保険の受給資格を失わないためには、以下の2つの条件を満たす必要があります。
- 週の労働時間が20時間未満であること
- 同一の事業主から31日以上の雇用が見込まれないこと
失業保険をもらいながらアルバイトができる条件に関しては、以下の記事を参考にしてください。
自営業を行っている
自営業を行っている場合は、雇用保険に加入していないため失業保険はもらえません。
自営業は、雇用契約を結んでいないため、雇用保険の加入対象外となります。
自営業者は、会社員とは異なり、雇用保険ではなく国民健康保険に加入し、国民年金を支払います。
また、失業保険のような公的な保障がないため、自分で生活設計を行う必要があります。
なお、すでに内定が決まっている方も失業保険ができません。
詳しく知りたい方は、下記の記事をご参考にしてください。
失業保険で手当をもらえる日数と受給開始のタイミングは退職理由で異なる
ここでは、自己都合退職と会社都合退職の場合の、失業保険の受給日数と受給開始時期の違いを解説します。
- 自己都合退職の場合の条件
- 会社都合退職の場合の条件
退職理由は大きく分けて「自己都合退職」と「会社都合退職」の2種類があり、それぞれで受給条件や受給期間が異なるため注意が必要です。
ご自身の退職理由がどちらに該当するかを確認し、適切な手続きを行いましょう。
自己都合退職の場合の条件
自己都合退職とは、自分の意思で退職した場合のことです。
結婚や出産、転居、キャリアアップなどを理由に退職する場合が、自己都合退職に該当します。
自己都合退職の場合、失業手当の受給日数は90日〜150日で、一般的に雇用保険の加入期間が長いほど、受給日数は長くなります。
また、自己都合退職の場合は、「待機期間(7日間)」と「給付制限期間(3ヵ月間または2ヵ月間)」が設けられるため、すぐには受け取れません。
待機期間とは、離職票をハローワークに提出した日から7日間のことです。
給付制限期間とは、自己都合退職者が安易に失業保険を受給するのを防ぎ、求職活動を促進するための期間です。
通常は3ヵ月間ですが、過去5年間に特定受給資格者となった回数が2回以下の場合は、2ヵ月間に短縮されます。
※2025年4月1日以降から給付制限期間は1ヶ月に短縮されました。
失業保険の待機期間に関しては、以下の記事でも詳しく解説しています。
会社都合退職の場合の条件
会社都合退職とは、会社の都合により退職を余儀なくされた場合のことです。
倒産や解雇、雇止めなどが会社都合退職に該当します。
また、パワハラやセクハラ、長時間労働などのハラスメントが原因で退職した場合も、会社都合退職と認められる場合があります。
会社都合退職の場合、失業手当の受給日数は90日~330日で、自己都合退職と同様に、雇用保険の加入期間が長いほど、受給日数は長くなります。
会社都合退職の場合、給付制限期間はありません。
待機期間(7日間)が経過した後、失業手当の支給が開始されます。
会社都合退職で失業保険をもらう方法に関しては、以下の記事でも解説しています。
失業保険がもらえないときの2つの対処法
失業保険がもらえない場合でも、活用できる制度があります。
就職活動中の生活費を確保するために、下記の2つの制度を検討してみましょう。
- 求職者支援制度の活用
- 生活困窮者自立支援制度の活用
上記の制度を活用すれば、就職活動を継続しながら生活費を確保しやすくなります。
では、それぞれの制度を詳しく見ていきましょう。
求職者支援制度の活用
求職者支援制度とは、再就職を目指す方が、月額10万円の生活支援を受けながら、職業訓練を受けられる制度です。
ハローワークが、職業訓練から求職活動までをサポートしてくれます。
離職中の方だけでなく、パート・アルバイトをしている方など、幅広い方が利用できます。
生活困窮者自立支援制度の活用
生活困窮者自立支援制度は、経済的に困窮している方を支援するための制度です。
働く意思があるのに働けない方や、住む場所がない方などが利用できます。
住居確保給付金や就労支援、自立相談支援など、さまざまなサービスが提供されています。
失業保険をもらうべきではない2つのケース
状況によっては、失業保険の受給をしない方がよいケースもあります。
下記の2つのケースに該当する場合は、失業保険の申請を控えることを検討してみましょう。
- 離職後の再就職が2ヵ月以内の場合
- 雇用保険の加入期間を引き継ぎたい場合
上記のケースでは、失業保険を受給するとデメリットが生じる可能性があります。
では、それぞれの理由を詳しく見ていきましょう。
離職後の再就職が2ヵ月以内の場合
再就職先が決まっている場合、失業保険は受給できません。
自己都合退職の場合、待機期間(7日間)と給付制限期間(2〜3ヵ月間)が設けられています。
すぐに就職活動を始めても、失業手当が支給されるまでには時間がかかります。
そのため、すでに再就職の目処が立っている場合は、失業保険を申請するメリットは少ないでしょう。
雇用保険の加入期間を引き継ぎたい場合
失業保険の手当を受給した場合、雇用保険の加入年数がリセットされます。
もし雇用保険の加入期間を引き継ぎたい場合は、失業保険を申請しない方がよいでしょう。
失業手当を受給せずに退職から1年以内に就職すれば、雇用保険の加入期間を引き継ぐことができます。
雇用保険の加入期間が長いほど、次回退職した際の失業手当の受給日数も長くなります。
失業保険の不正受給はばれる?
失業保険の不正受給は、高確率で発覚します。
ハローワークは摘発を強化しており、さまざまな調査を実施しています。
不正受給が発覚すると、手当の支給が停止され、不正に受給した金額に加えて、その2倍または3倍の金額を納付しなければなりません。
また、財産の差し押さえや刑事告訴など重い罰則が科される可能性もあるため、十分な注意が必要です。
失業保険の受給条件についての相談は「転職×退職のサポート窓口」がおすすめ!
失業保険を受給するには、一定の条件を満たす必要があります。
加入期間が不足している場合や、年金・傷病手当金を受給している場合は対象外となるため注意しましょう。
もらえない場合でも、求職者支援制度や生活困窮者自立支援制度を活用すれば、就職活動を続けやすくなります。
再就職の予定がある場合や、雇用保険の加入期間を引き継ぎたい場合は、申請しない選択も考えましょう。
失業保険の手続きや受給条件で不安がある方は、専門的なサポートを活用するのも一つの方法です。
そこで、「転職×退職のサポート窓口」では、失業保険受給に関するご相談や受給額の診断までサポートしています。
失業保険に関する些細なお悩みでも丁寧に対応しますので、ぜひお気軽にご相談ください。